青春 Karate history ㉕ 全日本大会デビュー!

正道会館 第5回 ノックダウンオープントーナメント
全日本空手道選手権大会 デビュー戦
(1986年12月14日 守口市民体育館)

いよいよ全日本大会が開幕しました。開館時間前から入口には長蛇の列ができ会場内は観客で超満員。
いきなり仲間の武澤さんが第一試合に登場するのでセコンドにつき応援しました。国士会館のエース清原選手と対戦でしたが途中バランスを崩しながらも放った右の上段廻し蹴りが顎にヒットし見事一本勝ちを決めてくれました。間近で観ていた私も絶対にKOするぞ誓いました。いよいよ私の順番です。『ゼッケン27番 中川敬介選手 正道会館 年令18歳 段位初段 修業年数4年 170cm70kg』とアナウンスされ気合いを入れ試合場に入ります。相手の山本選手はキックがベースのフリーの選手。途中崩しからの左上段廻し蹴りが決まりマットに倒れますが当たりが浅い為直ぐに立ち上がります。しかしこれで主導権を握る事ができました。セコンドの瀬川さん(瀬川聖一先生です)や仲間の指示もよく聞こえ落ち着いて戦えていました。最後は右の下突きから得意の左上段廻し蹴りで仕留め無事デビュー戦をKOで飾ることができました。松本君も初戦自分より20kg近く重い選手を右下段廻し蹴りでKOしここまで仲間は全員一本勝ちで勝ち上がりです。最後の田前さんは白蓮会館のエース向井田晴哉選手と対戦。田前さんの上段膝蹴り、向井田選手の上段パンチ(反則)でお互い流血する壮絶な試合となり再延長も引き分け。体重判定でも差が付かず最後は試し割り1枚差で惜敗となりましたが、格上の選手とも堂々と渡り合い凄いと思いました。当時の正道会館の選手は本当に気の強い人が多く格上相手でも絶対に気持ちで折れなかったですね。私の2回戦の相手は京都の山本昌宏先輩。山本先輩の事は試合実績等あまり知らず、本当に失礼な話ですが正直言うと全く負ける事は考えていなくて今西先輩との対戦の方に気持ちは向いていました。でも実際に戦うと山本先輩は強かったです。180cmの長身を活かした試合運びで中々思うように攻めさせてもらえません。本戦0-0で引き分け。延長0-1で私に旗が1本上がるも引き分け。再延長も諦めず攻めますが山本先輩もしつこく返してきます。そして終盤少しスタミナの切れかかった私に山本先輩が膝と突きでスパートを掛け3-0で無念の逆転負けを喫する事となりました。改めて正道会館黒帯の強さと層の厚さを思い知らされました。この大会には新人戦や学生大会で活躍していた田前さん、武澤さん、田上君、村井君、岸本さん等強豪選手も出場していましたが皆2回戦までに姿を消しました。やはり全日本大会は別格でここで活躍するにはまだまだ力不足と感じました。そんな中、松本君は準々決勝戦まで進出し、2連覇中の川地先輩と延長戦まで戦い判定で破れはしましたが第5位初入賞を果たしました。表彰式を観ながらさすが松本君やなと初入賞を祝福すると同時に来年こそは俺もあの舞台に立つぞと強く心に誓いました。

全日本デビュー戦
気合いが入ってます!
セコンドには瀬川聖一先生(左下)の姿が!
この時代から常に協力して
くれていました 感謝!!
1回戦は山本正智選手
崩しが良いタイミングで決まる
崩し技は知らない人には
本当によく決まります
心魂道場ではこれからもこの技を
大切に伝えていきます
最後は得意の左上段廻し蹴りを
決め無事デビュー戦をKOで
飾ることができました
2回戦は
京都の山本昌宏先輩
左上段廻し蹴りに対し
しつこく重い突きで
返してくる山本先輩
本戦0-0で引き分け
再延長に入り前蹴り
膝蹴りで攻める
崩しからの左上段
廻し蹴りで攻め
0-1で私に一本旗が
上がるも引き分け
再延長戦
お互い必死に攻めますが
決定打には繋がらず
徐々にスタミナを消耗
終盤山本先輩が膝と突きでスパートを掛け
3-0で逆転負けを喫する
当時のカラテマガジンに
掲載された試合内容
残念ながら初めての全日本は
2回戦敗退となりました
武澤さんは1回戦
国士会館のエース清原選手に
右上段廻し蹴りを決め一本勝ち
田前さんは1回戦から白蓮会館の
エース向井田選手と激突
お互い流血の壮絶な試合
再延長体重判定でも差が付かず最後は試し割1枚差で惜敗
松本君は準々決勝で
2連覇中の川地先輩と戦い
延長戦で判定負けも
ベスト8初入賞を決める
川地先輩が延長戦で
佐竹先輩を下し
3連覇を達成されました!
松本君は2回目の挑戦で見事第5位入賞
優勝川地雅樹先輩、準優勝佐竹雅昭先輩3位今西靖明先輩、4位東雅美先輩、
6位玉城厚志先輩、7位柳沢聡行さん
8位福岡賢一先輩という錚々たる面々
ベスト8を正道会館が独占

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