正道会館 第7回 全日本新人戦空手道選手権大会
(1986年10月26日 住吉武道館)
1986年10月26日豊中市立武道館で『第7回全日本新人戦空手道選手権大会』が開催されました。この時は同時に『全日本ジュニア空手道選手権大会』と『全日本学生空手道選手権大会』も開催されました。
今大会から『軽中量級』→『軽量級』、『重量級』→『中重量級』とクラス名称は変わりましたが今まで同様に62kg以上と以下で実施されました。また上段の膝蹴りで怪我をする選手が多かった為か今大会から上段膝蹴りは禁止になりました。今まで同様4級~1級迄(黒帯以外)の選手が出場可能となります。私は今大会から階級を上げ『中重量級』へチャレンジする為この半年間肉体改造に取り組んできました。ここで優勝し、11月の昇段審査で黒帯を取得し12月の全日本大会に出場する事を目標に努力してきました。会場に入ると久々にあった人達はみんな私の身体の変化に驚いている事が何かやけに可笑しかったです。前大会時のように無理な減量もしなくて良かったのでコンディションはバッチリでした。ただウエイトアップ後初の公式戦という事もあり少し不安はありましたが初戦でその不安も吹き飛びました。1回戦シードの後、初戦は士道館の宮川選手。一本や技有りを奪うことは出来ませんでしたが確実に突き、下段廻し蹴り、中段膝蹴り等一発一発の威力がアップしている事が実感できました。スピード、スタミナも問題無くこれなら大丈夫!と優勝できる手応えを掴めました。3回戦は赤穂支部の平松輝重選手。平松さんの右ローの引き足にタイミングを合わした左上段廻し蹴りで技有りを奪い本戦勝利。4回戦は総本部の里中伸次選手。左のインローで技有りを奪い本戦勝利。インローで技有りを奪えるとは思っていなかったのでここでもパワーアップを実感。そして準決勝戦で強豪田上敬久選手と対戦。田上君は同い年で前大会の重量級にも出場していました。その3回戦でいつも一緒に稽古してた仲間の川上達弘君に勝利。川上君には稽古でよく上段回し蹴りをもらっていてとても強い人でしたので、負けたのを観て松本君以外にも総本部には強い奴がおるなと驚きました。この時は準決勝で田前さんに負けましたがとても強い選手やなと印象に残ってました。総本部ではお互いの稽古曜日や時間が違った為組手をするのはこの時が初めてでした。お互い本戦から積極的に攻撃し合い白熱した戦いになりました。田上君は気持ちも強く絶対に引きません。本戦、延長、再延長と戦い全て引き分け。体重判定では私が1.5kg重く本来ならば負けとなる所でしたが松本君と戦った時同様に石井館長から特別延長の指示があり戦うもこれも勝負が付かず体重判定で負けとなりました。負けましたが前大会時とは違い今回は力を出し切った感がありましたので清々しい気持ちで試合後はお互いに健闘を称え抱き合いました。また一人同年代のライバル出現です。優勝するって本当に簡単な事では無いなと改めて思いました。田上君とはこの後も幾度と対戦する事となります。三位決定戦は士道館の岸本克美選手。長身で戦いにくく強い相手でしたが延長戦で膝蹴りから崩しての左上段廻し蹴りで技有りを奪い判定勝ち。第3位が決定しました。決勝進出の田上君は玉城健治先輩(厚志先輩の弟さん)を下し優勝を決めました。これで3大会連続で準決勝戦で敗退。階級を上げても5試合中3試合で技有りを奪う等重量級で戦える手応えを掴め収穫も大きかったのですが、やはり同学年の田上君に負けた事は悔しく複雑な気持ちでした。今大会優勝→昇段→全日本出場という計画でしたが優勝出来なかった事で昇段審査を受験すべきかどうか悩む事になりました。